フィールドリサーチ演習Ⅰ・Ⅱ 1・2年次開講

2年次のフィールドリサーチ演習Ⅱで取り組んだ『新しい利用シーンを想定した香水に関する提案』。香りに対する人々の潜在意識をもとに、時間帯によって香りが変化し、行動を促すアラーム機能を備えたプロダクトを提案した


アイデア発想には背景への理解が重要。問いの設計に重点を置けるように意識した

―どんな授業・課題でしたか?
2年間かけて調査分析に必要な技法や、その結果に基づく企画提案の方法を学ぶ演習で、学術的文章を書く技術も教わります。1年次は数値をもとにした調査結果の確証性や根拠を、統計技法を用いて探る量的調査の方法を学び、小平市と連携して地場産食材の使用率を上げる企画提案を行いました。2年次はIPAやSCAT分析など質的調査の方法を学んだ上で、人々の潜在意識の分析から新しいサービスを構想する課題に取り組みました。授業を通してアイデア発想のためには背景を理解することの重要性を強く感じていたので、問いの設計に重点を置けるように意識しました。

―今後の目標は?
もともと社会学部を目指していましたが、CIに進学し、座学だけでなく造形教育やフィールドリサーチのように学外に足を踏み出す体験ができたことで関心領域も広がりました。インターンや地域のデザイン活動にも参加しているので、今後も積極的に自分の考えを社会実装する経験を積みたいです。
(2年|今井咲希さん)

クリエイティブビジネス論Ⅰ 3・4年次開講

SWOT分析などを通して無印良品の事業状況を分析し、衣料品・食品・生活雑貨の3ジャンルを生かしたオンライン講座を提案。登録数の多いSNSを活用したプロモーションを行い、教材の受け取り方法を限定することで店舗販売の拡大も狙った


グループワークの機会が圧倒的に増えコレクティブの実践や課題を意識できる

―どんな授業・課題でしたか?
座学や小課題に取り組みながら、ブランディングとマーケティングのフレームワークを学ぶ授業です。授業の仕上げとして、有名企業が現在手掛けていない分野に進出した際に、どんなビジネスを提案するかをグループワークで企画提案しました。私たちのチームのテーマは無印良品のオンライン教育。教育業界に参入するなら競合はどこか、事業内容やターゲット、プロモーション方法なども検討してプレゼンテーションに臨みました。

―どんな学びがありましたか?
今回の授業に限らず、CIは3年次になるとグループワークの機会が圧倒的に増えます。個人的にこれからは集団で新たな価値を創造する時代になると思うし、その際の自分の態度に意識的になれるカリキュラムだと感じます。周りにはユニットを組んで自主的な活動をしている学生が多く、私も他学科や他大学の学生と一緒にアーティスト・コレクティブの活動を本格化させました。実験と実践の場として、社会へのアクションを起こしたいと考えています。
(3年|濱田浩嵩さん)

産学プロジェクト実践演習Ⅰ・Ⅱ 3・4年次開講

武蔵野美術大学と連携協力に関する協定を結んでいる熊本県天草市を舞台に、目には見えない感性価値を基盤にした企画『のさりび』。海辺の荒れ地を開墾し、地産品を持ち寄り、星空の下で火を起こし、食べ、飲み、語らう、会を実施した


1カ月間滞在して発見した地域の魅力を、地元の人に再認識してもらいたかった

―どんな授業・課題でしたか?
基礎課程の学びを社会実装する演習です。地域に滞在して活動するプロジェクトから、都内で企業と協働して課題解決に取り組むプロジェクトまで、自分の興味に合わせて選択できます。私は将来、地方創生に携わりたいと思っていて、熊本県天草市の「天草プロジェクト」を選びました。大学院生も含めた6人のチームで1カ月間共同生活しながら、地域と対話し、表現するという課題に取り組みました。

―今回の提案について教えてください。
2022年度に初めて始まったプロジェクトだったので、まずは地域の方々と関係性を構築することを第一にしました。生産者や行政の方々と話し合いを繰り返しながら提案したのが、地産品を持ち寄り、火を起こして語り合う『のさりび』。天草の魅力は自然、地産品、そして人々であることを再認識してもらうための場づくりです。地域に飛び込めたからこそ、人と人とをつなぐ見えないデザインの重要性を実感できました。
(3年|拜藤心平さん)

産学プロジェクト実践演習Ⅰ・Ⅱ 3・4年次開講

日本橋浜町ライフスタイルプロジェクト『防災遠足』の提案。東日本大震災の発生日であり、新生活が始まるタイミングで地域の人とのつながりをつくりやすい3月11日と防災の日(9月1日)の年2回の実施として企画した


地域を知り、災害時に近隣住民と助け合える防災プロジェクトの提案

―どんな授業・課題でしたか?
さまざまな産学プロジェクトの中で、私は東京・日本橋の浜町をフィールドにした「日本橋浜町ライフスタイルプロジェクト」に参画しました。まちづくり組織の日本橋浜町エリアマネジメントや複数の企業と、地域の課題を見いだし、その解決策を提案するもので、私たちのチームは株式会社LIFULLと協働し、「どこにいても孤立しない幸せな暮らしのためにつながりを実感できるコミュニティを増やすこと」が大きなテーマでした。

―今回の提案について教えてください。
浜町で暮らす人への調査における発見を切り口に、地域を知り、災害時に近隣住民と助け合える『防災遠足』の提案です。避難経路を歩き、防災食を体験することがテーマで、まだプロトタイピングの段階ですが、「知らない人同士でも楽しめた」という感想が多く手応えを感じています。建物の数だけ防災も変わるので、浜町に多いマンション単位で実施し、100年かけて全住民に参加してもらうのが目標です。
(3年|中井樹奈さん)