教育目標

映像学科は1990年の創設以来、時代に先駆けて「多面的」学習方法と「全方位的」な教育の理念を併せて、映像の「総合的教育」に取り組んできた。 「専門的に学ぶこと」と「総合的に学ぶこと」は、一見矛盾しているようだが、本来の専門性は総合的に学ぶことからしか得られない。
さらに、2019年の造形学部から造形構想学部への改編をふまえ、総合的造形教育と社会に対する広範な知識の教授を基盤とし、映像表現分野とテク ノロジー分野の交錯する領域において創造的思考力を発揮する人材を育成する。
さらに幅広い教養に通じ、歴史的背景を理解しながらも、変化する社会状況、技術・表現に適応し、新たな価値を産み出しうる映像表現者、文化創 造の担い手となる人材の養成を教育目標とする。
具体的な領域として、写真・映画・アニメーション・イメージコンピューティング・メディアアート・映像空間を基柱とし、未分化な新領域へも視 野を広げて融合と拡張を目指す。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

映像学科は、真実を見つめる意志を強化し、自由かつ大胆な創造的感性を養い、美意識を育むことを目的とする。映像表現の総合性を理解し、専門性を身につけるための作品制作と制作指導が教育の中心である。それによって、表現力・制作力・人間力を相乗的に高めていくことを目指す。

1年次
前期には映像の本質と可能性を考え、写真・映画・アニメーション・CG・メディアアート・イメージエフェクトなどの領域に触れ、広範な知識と技術を身につける。後期には絵画と彫刻から造形を実践し、映像と美術の両面から創造的思考力を学ぶ。

2・3年次
1年次の基礎を活かし、専門的あるいは発展的な学びを追求し、創造的思考力の強化を図る。写真・映画・アニメーション・イメージコンピューティング・メディアアート・映像空間の6つの専門領域の多彩な演習授業が年間を通して並走するカリキュラムによって、領域を自在に横断したり深化させたりすることができる。多様な資質や志向を持った学生一人一人が主体性を持ち、自身のレベルや興味に合わせた選択設計が可能である。

4年次
映像表現の総合性を感得し、真の専門性獲得を目指す。前期に専任教員のゼミを一つ選択し、学生は専門領域または応用領域と、それぞれの志向に沿ってさらなる高度なステージへ研究制作を進める。卒業制作は4年間の学修の成果を結集し自らテーマを定めて取り組み、制作・上映・展示のすべてを学生自身で実現する。また、全教員によるジャンルの枠を超えた講評・評価の後、一般公開される。
その他、学年を問わず履修可能な専門科目や産官学共同プログラム、国際交流プロジェクトを展開している。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

映像学科は、建学の精神である「教養を有する美術家養成」を土台に、1990年に開設された。
映像学科の教育は、映像技術の習熟にはとどまらず、過去に蓄積された映像及び表象文化の豊かな歴史を踏まえながらも、新たな価値を生み出す革新的な創造者を養成することを目的としている。 こうした能力を養うために、次のような学力と意識を持った入学者を求める。

  • 自らが目指す将来像に向けて学ぶための基礎的な教養・表現力がある人
  • 映像への強い関心と表現意欲があり、新しい表現・技術を常に探求しようとする人
  • 新たな映像の可能性を探り、創造的思考力を用いて、その表現を具現化しようとする人

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

造形構想学部ディプロマ・ポリシー(各学科共通)

創造的思考力の応用発揮において独自の探求を行い、社会的イノベーションに寄与しうる人材として以下の7点について評価し、学位を授与する。

  • 専門的な知識を理解し深めることができる。
  • 専門分野の基盤となる文化や諸科学について総合的に理解している。
  • 創造的思考力を深め広げる技能を身につけている。
  • 他者に伝える表現能力及び他者とともに考える対話能力を身につけている。
  • 批判的思考を働かせ、課題や主題を自主的に設定することができる。
  • 論理的思考・創造的思考を働かせ、独創的な課題解決の判断や構想ができる。
  • 課題発見・解決に幅広い関心と高い意欲で取り組み、社会のなかで主体的に行動することができる。