*このページに掲載している内容は、2023年度のカリキュラム・科目名です。

デジタルドラマⅠ 2年次開講

左:『夏のあと』短編映画|14分6秒
右:Cinema 4Dを用いたCGの制作画面と本編のシーン

前例のなかったCG合成に挑戦し、貴重な経験になった

―どんな授業・課題でしたか?
十数人のチームで実写の短編映画を制作します。監督、脚本、撮影、編集、音響、照明、美術、衣装などを分担し、私は撮影と編集を担当しました。

―制作した作品について教えてください。
女子高校生が学校を抜け出し、廃墟に遊びに行くことから始まる物語です。脚本には「廃墟が壊されて空き地になった」とあったものの、全員で何日もロケハンしてもふさわしい場所が見つけられず、CGの経験があった私がCG合成を提案しました。実写の授業でCGを使った前例はなかったのですが、先生もアイデアを尊重してくれて、自分にとっても貴重な経験になりました。より良い作品のために各自が責任を持ちながら作業に専念できることにやりがいを感じたし、尺以外の制約がほとんどなく、メンバーの個性や力が発揮できる課題でした。映像学科で学ぶ各領域の方法論や技術を生かしながら、3年次のデジタルドラマⅡでも実写とCGを融合し、新たな可能性を探究したいです。
(2年|チン ゼンさん)

CG&アニメーションⅠ 3年次開講

『LUNCHEON MAD』

デジタル2Dアニメーション|3分11秒

アナログ感を残したデジタル表現で誰もが楽しめるアニメーションを目指した

―どんな授業・課題でしたか?
3年次後期の進級制作に向けた作品制作が主体の授業でした。アイデア出しの段階から先生やゼミの仲間と意見交換することで自分の作品を客観視しながら制作を進められたし、さまざまな実写、アニメ作品を鑑賞し、研究する機会もたくさんありました。

―制作した作品について教えてください。
雲のかたちを眺めて食べ物を連想していた小さな頃の記憶から着想を得て、風景がすべて食材になったら面白そうというのが発端です。料理がおいしそう、犬がかわいいと、老若男女問わず誰もが楽しめるアニメーションを目指し、キャラクターが静止しているシーンも1枚1枚描くことで、デジタルだけど絵本のようなアナログ感を残しています。先生の勧めでコンペティションに出展したところ、国際青年デジタルアート展やインディーズアニメフェスタでグランプリをいただけました。アニメに限らずさまざまな表現方法に触れられた映像学科の学びをつなげられた作品です。
(4年|羽部空海さん)

映像・写真表現実習Ⅰ(進級制作)3年次開講

『Utopia II』

写真|インクジェットプリント、アクリルマウント|H420 × W594mm

鑑賞者の存在を意識しながら制作できた初めての作品

―どんな授業・課題でしたか?
進級制作は作品制作だけでなく、学生が主体となって鷹の台キャンパスで進級制作展を行います。専攻が分かれる3年次前期の授業から、進級制作でどんな制作をやりたいのか、先生と相談をしながら準備を進めました。

―制作した作品について教えてください。
日常の中で自分が反応したものには、写真を通して純粋に向き合っていきたいと思いながら撮影した写真たちです。高校生のときから撮り溜めていた写真を再編成し、受験時に提出したポートフォリオの第二弾に位置付けています。鑑賞者がいることを意識しながら、写真のセレクトやレイアウト、作品形態を考えた初めての作品です。映像学科は実写映像、CG、インスタレーションなどさまざまな分野を扱っているので、各領域の作品が同じ空間に集うことが新鮮だったし、講評では写真専攻以外の先生から自分が意図していなかった見方の意見を聞けたことで、作品の可能性も広がったように思えます。
(3年|髙木理子さん)

映像・写真表現実習I(進級制作)3年次開講

『emergency exit』

映像インスタレーション|5分

自分から動くのではなく、いかに場所や空間の特性を生かせるか

―制作した作品について教えてください。
進級制作展に出展した映像インスタレーションです。場所や空間が持つ特性を生かした制作に取り組んでいて、今回は展示のルールに沿いながらやりたいことができる場所を探し、非常口を舞台にアイデアを練りました。大地の芸術祭の作品破損事件や、美術品の展示設営を行うインストーラーのワークショップに参加した際の気付き、個人的に調べている玉川上水もヒントに、ムサビの地下展示室で起こりうる仮想の水害を3DCGで描き、過去に英国テート美術館を襲ったテムズ川の氾濫にいて並行して語っています。

―課題で学んだことは?
進級制作の前後に受講したメディアアートの授業でも「自分から動くのではなく周りの環境に反応することを大事にしてほしい」と先生から言われていて、その感覚をもって制作に臨めたと思っています。場所を単に利用するだけの搾取ではなく、自分の解釈を大切にしながら卒業制作にも取り組んでいきたいです。
(4年|酒井風さん)