「何を問題にしているか」を問いながら、新しいアイデアを実現できる方法論を学ぶ。

デザイン情報学科の4年間は、時代の変化に流されず、逆にそれをうまく活用する力を身につけるための期間です。「デザイン」という行為を改めて見つめ直し、新しい時代に生きるデザイナーとしての方法論を組み上げるため、1・2年次は基礎的な講義や演習を通して、デザインワークのエッセンスを学んでいきます。

ゼミ形式の授業が始まる3年次からは、それぞれのゼミのスタイルに則した演習が展開されます。また、海外からの訪問教授を交えて行われる国際プロジェクトにも3年次の学生が中心となって参加します。4年次は卒業研究・卒業制作が中心。作品だけでなく、プロセスドキュメントの提出も義務づけているのが特徴です。

カリキュラム

全体

デザイン情報学科では、表現の試行錯誤と創造性を重視する美術大学の教育環境をベースに、高度化する情報環境や多様化する表現世界への対応力を身につけるためのカリキュラムが設けられています。学科の科目群は、以下の方針に基づく理論科目と演習科目によって構成されます。

  1. 「何を問題とするか」という基点とフレームの確認
  2. デザインと情報学を二極とする往還運動への理解
  3. 視覚を中心とした知覚の装置化:「メディア表現系」
  4. 双方向情報交換の作法と演出:「コミュニケーション創発系」
  5. デジタルデザインの基礎ルールと応用:「デジタル技術系」
  6. 構想実現に向けた統合的なデザイン力、プレゼンテーション力の習得と強化

デザイン情報学科の教育課程は、各学科共通の文化総合科目と、造形総合科目、デザイン情報学科の学科別科目から成り立っています。卒業に必要な単位は、この授業科目区分ごとに定められています。自分の入学年度(学年)の単位構成をよく確認して、履修計画を立ててください。

なお、博物館に関する科目を履修する場合には、卒業に必要な単位との関係に十分注意しなくてはなりません。詳しくは、このガイドブックの「博物館に関する科目」の項と、別に用意されている『学芸員課程の履修について』をよく読んで履修計画を立ててください。

1年次

前期を3期、後期を4期とし、年間を7期に分けた集中制の演習が午前の演習時間帯に行われます。造形総合Ⅰ類の指定科目として、学科全員が第1期に「絵画Ⅰ」、第2期に「彫刻Ⅰ」を、また、第5期は、指定された造形総合Ⅰ類の選択科目から各自がそれぞれ関心のある科目を選択し他学科の学生とともに履修します。デザイン情報学科の専門演習は第3期に「デザイン情報学基礎演習Ⅰ」、第4期に「デザイン情報学基礎演習Ⅱ」、第6期と第7期に「デザイン情報学基礎演習Ⅲ」を履修するほか、第1期から第3期(前期)の午後の時間帯で「情報処理Ⅰ」を、また前期に「デザイン情報学概論Ⅰ」、後期に「デザイン情報学概論Ⅱ」をそれぞれ履修します。その他、自由選択枠として、卒業までに文化総合科目及び造形総合Ⅱ類科目等を22単位分選択履修します。

2年次

2年次からは、前後期ごとに開講される科目を履修します。2年次の専門科目は、学年必修科目と、2年次から 3年次までの間に履修する選択必修科目があります。学年必修科目としては、前期に「デザイン情報学演習Ⅰ」、後期に「デザイン情報学演習Ⅱ」があります。「デザイン情報学演習Ⅰ、Ⅱ」は、それぞれ6つの専門分野に分かれ前後期各1科目、計2科目履修します。加えて後期に専門分野別に開講される「デザイン情報学特別演習Ⅰ」が選択必修科目となります。

また、必修科目として学生が前期に「情報処理Ⅱ」を、さらには理論科目として前期に「デザイン情報学概論Ⅲ」を、後期に「デザイン情報学概論Ⅳ」をそれぞれ履修します。

3年次

デザイン情報学科にはコース専攻はありませんが、3年次では各自が将来希望する分野を思い描いて独自の履修計画を立てていきます。学年共通の必修科目として、前期に「情報処理Ⅲ」「デザイン情報学演習Ⅲ」理論科目として「デザイン情報学各論Ⅱ」を履修します。後期には「デザイン情報学特別演習Ⅱ」および、各自の専門領域を実験的に統合する独自のゼミ形式の「デザイン情報学総合研究Ⅰ」、理論科目として「デザイン情報学各論Ⅰ」を履修します。また、3年次では2〜3年次選択必修科目に加え、より発展的な3〜4年次選択必修科目が履修可能になります。

4年次

卒業研究・卒業制作が中心となる年次です。学年共通の必修科目として、前期に理論科目の「デザイン情報学各論Ⅲ」を履修します。また、ゼミ形式の「デザイン情報学総合研究Ⅱ」を履修するとともに、将来の進路、専門性につながる研究、制作を進め、後期は卒業研究・卒業制作に取り組みます。