メディアアート基礎1(デザイン情報学演習Ⅰ-d)2年次開講



『支持体の円環』
DCモーター、小型プロジェクター、フレネルレンズ|サイズ可変
領域を自由に横断できる環境を生かし映像による体験の可能性を探求したい
企画の思考法やワークフローについて学ぶ講義、FAB系の機材のオペレーションを学ぶワークショップ、メディアアートに応用できる電子工作の基本を学ぶ演習と、授業は段階的に進み、総仕上げとして作品制作に取り組みました。課題はバウハウスのモホイ=ナジの「バランスの習作」から着想を得ていて、モーターの動きを利用し、自由な素材でキネティック・アートをつくるというもの。私はカメラが好きで、普段から古いレンズや特殊な光学素子で遊んでいる経験から、フレネルレンズとプロジェクターを使ったアイデアに思い至りました。モーターの回転運動自体は単純でも見ていて飽きないヴィジュアルをつくり出せるように、検証作業を繰り返したことを覚えています。
私にとってデ情は射程範囲が広い学科です。興味に応じて領域を自由に横断でき、メディアミックスしやすいカリキュラムだと思います。今後もさまざまなメディアや素材に触れながら、映像による体験の可能性を探求したいです。
(3年|對中優さん)
アニメーション制作(メディア表現演習Ⅱ)2・3年次開講






『冬眠』
アニメーション|6分9秒
グループ制作の大変さと世界が広がる面白さを実感できた
2年次にグループ制作したアニメーションです。天変地異で大雪が降り続き、ステイホームが提唱された世界で暮らす一人の男の物語で、私は監督、脚本、編集、CG、サウンドデザインなどを担当しました。以前、自主制作でアニメをつくった時は絵コンテの存在も知らず、ほぼ思いつきで制作していましたが、共同作業では自分の意見や思いを言語化しなければなりません。その大変さはあったものの、作画担当のメンバーから絵を見せてもらった時はとても感動したし、共同作業で世界が広がる面白さを実感できました。
映像的には2D、3DCG、コマ撮りなど多様な手法を用いて、登場人物だけでなくモノにも生命を吹き込むために、テクスチャーや色調、レンズの効果など独自の絵づくりに力を入れました。商業アニメの世界で活躍している方を講師に、業界のことや制作プロセスを解説してもらったり、アートアニメが専門の研究室スタッフの方からもいろんな話を聞けたりと、アニメーションの知見を深められる授業でした。
(3年|チョウ ヨウさん)
ブックデザイン(デザイン情報学特別演習Ⅱ-B)3年次開講




『きわのまち』
紙、OHPフィルム|H210mm × W148.5mm
郊外の街をリサーチして得た発見をモノとしても魅力的に集めて編む
ブックデザインを学ぶ授業です。書籍の装丁や販促用のポップ制作、雑誌のレイアウト、製本のワークショップと毎週小課題に取り組み、最後に一冊の本を制作します。テーマは投票で決めて、私が提案した「街」が採用されました。ムサビで建築史などの授業を受けるうちに、都市計画に興味が出てきたことがきっかけです。
『きわのまち』とは、山や海に接する郊外の街をイメージしています。大都会とも大自然とも言えない空間が広がっていて、成り立ちもさまざまな街を徒歩や自転車でリサーチし、そこから得られたたくさんの発見を1つの風景の中の建築のようにまとめました。モノとしても魅力的になるように用紙の素材感や印字の雰囲気、見出しを兼ねた挿絵のグラフィッフにもこだわったほか、自分が感じた驚きを鮮度を保ったまま文章化することも心がけました。「集めて編む」ことの感覚をつかむことができ、さまざまに編集された本が並ぶ図書館に感じる印象もガラッと変わりました。
(3年|伴太陽さん)
学科内デザインコンペティション

2021年度オープンキャンパスのポスター

webサイト

会場に掲示されたサイン
デ情には多種多様な授業があり、新鮮な発見に満ちていることを伝えたい
デ情がオープンキャンパスで展開する広報ヴィジュアルを担当しました。毎年、オープンキャンパス開催前に学科内コンペを行っていて、2021年度はありがたいことに私の作品が選ばれました。多種多様な授業がある学科の特色を、さまざまなかたちや表情のお寿司で表現しました。キャラクターは50~60パターン作成して、そこから絞っています。また、デ情には学科の英語名=Design Informaticsの頭文字「D」をかたどったマスコットキャラ「デ情くん」がいるので、私は「I」をモチーフにオリジナルのキャラクターも考えてみました。
新鮮な発見に満ちている環境を表せるように、赤・黄・緑と従来にない配色にしています。実際の制作は研究室スタッフの方々に具体的な印刷プロセスなどを教えてもらいながら進め、先生から「もっと遊んでいいよ」と声をかけてもらえたことも励みになりました。キャラクターデザインやイラスト制作に日頃から取り組んでいるので、楽しみながら制作できました。
(3年|渡邊里咲さん)