赤嶺一希Akamine Kazuki

作品写真:モーション周期表
作品写真:モーション周期表

モーション周期表Motion Periodic Table

映像、WEB|モーショングラフィックス|After EffectsVideo|Motion graphics

モーショングラフィックスとは動画である映像表現と静止画であるグラフィックデザインの中間、もしくはその両方に位置する表現手法であり、CMや映画、アプリケーションのUIなど、様々な日常の場面で使用されるものだ。だがしかし、その複雑さや特殊さ故にこれを扱うことのできるデザイナーは多くない。そこで、モーショングラフィックスにおける構成要素をまとめた「モーション周期表」を作成した。元素周期表に見立てたこの表を活用することで「動き」という新たな次元をあなたのデザインに取り込んで欲しい。

赤嶺一希

赤嶺くんの作品は、モーショングラフィックスという映像表現方法の一つに注目し、それを単純な構成要素に分解し、それぞれについて作成方法や応用例、作例等をまとめたものである。ウェブでの公開も含め、初心者にとっての辞典的な役割をも有し、完成度も高いものになっている。構成要素の分類に「周期表」を用いるという挑戦的な試みも好感が持て、それぞれの要素例の表現も質が高く、評価に値する。

デザイン情報学科准教授 井上尚司

上野恵美Ueno Megumi

作品写真:プロジェクションによるカタチの発見 -日常の中の非日常-

プロジェクションによるカタチの発見 -日常の中の非日常-Discovering forms by projection -Unusual aspects in daily life-

インスタレーション|Arduino、サーボモーター、LEDInstallation art|Servo motorH1200 × W1500 × D450mm

見慣れたモノでも、少し視点を変えれば、そのモノに潜んでいるカタチを呼び起こすことができる。この研究は、身近なデザイン製品に隠れているキャラクターを光によって呼び出そうとする試みである。光の当て方次第で、気にしていなかったモノの中から興味深いカタチが見えてくるのだ。何気ない日常生活の中でも、少し見方を変えて身の回りの物事に接するだけで、今までとは違った世界が見えてくる。この作品をきっかけに、誰もが見過ごしてしまうような当たり前の光景の中にある面白さに気付くようになればと思う。

上野恵美

PETボトルはどれも同じ容量・機能であるがゆえに魅力的なカタチを競わざるをえない日用品デザインの象徴である。シンクロして動く光の投射によって明らかになるその差異は、はかなくも見飽きることがない。

デザイン情報学科教授 今泉洋

片田紗葵Katada Saki

作品写真:折箱の新たな歩み -折箱業界存続のための新しい折箱の形-

折箱の新たな歩み -折箱業界存続のための新しい折箱の形-The new future of a ORIBAKO. -The form of the new ORIBAKO for survival of ORIBAKO industry.-

折箱|木、藍染めORIBAKO (Japanese food containers)|Wood, indigo dyeingH30 × W110 × D110mm H40 × W40 × D120mm H40 × W80 × D80mm

本|紙、無線綴じBook|Paper, perfect bindingH160 × W160mm

日本には古くから作られ使用されている「折箱」という木の箱がある。今でもお弁当などに多く使用され活用しているが、昨今、その折箱の需要が薄れてきている。そのため今回私は折箱の需要を高めるための商品を企画・制作した。日本伝統だからこそ世界に発信するために折箱×洋としてチョコレートBOXを制作。また、伝統×伝統として折箱を藍染めしてギフトBOXにした。また、それらをまとめ書籍にした。

片田紗葵

崎陽軒の焼売や伊勢の赤福餅などでなじみのある折箱だが、現在は紙、発泡スチロール、プラスチックの箱も総称するようになった。こんな現状に一石を投じようと、製造会社の協力も得て、本来の折箱の用途開発を進めた積極性が評価に値する。とりわけ藍染の折箱は意外性があり、藍が天然染料であることで箱の経木としっくり合って、自力で試行錯誤した結果のグラデーションが美しい。「デザインの国・日本」の復権に一役買いそうだ。

デザイン情報学科教授 森山明子

佐伯瞳Saeki Hitomi

作品写真:蝕
作品写真:蝕
作品写真:蝕

Erode

ナイロン、3DプリントNylon, 3D printerH258 × W156 × D152mm H185 × W156 × D112mm H263 × W155 × D154mm H226 × W197 × D113mm H174 × W172 × D89mm

あるものが他のものの影響によって、変化し、あるいは融合することによって生まれるかたちがある。むという行為や現象を一つの流れとして捉え、5つの段階として分けた。これらの形状は使用者を装身具がむかたちをとるようにデザインされ、変装するために使用される特殊メイクのイメージで、人間と装身具がシームレスな状態になるようなものを目指した。また3Dスキャナーを使用し、モデルの形状に合わさるようにできている。

佐伯瞳

3Dプリンター等のデジタル造形技術を作品制作に用いるのはもはや珍しいことではない。それ故に新しい技術で出来ること、これまでの技術で出来なかったことを見極め、革新的な造形を追求する姿勢が求められる。本作品は装身具をテーマに据え、そのあり方自体を見つめ直すことで、「身に着ける」という行為を新しい技術で再解釈した実験的提案である。成果物には作者独特の審美感が反映されており、それが最新技術と相まって作品として昇華された点を評価したい。

デザイン情報学科専任講師 高山穣

塚本春菜Tsukamoto Haruna

作品写真:カテゴリ族 現代×江戸時代
作品写真:カテゴリ族 現代×江戸時代
作品写真:カテゴリ族 現代×江戸時代
作品写真:カテゴリ族 現代×江戸時代
作品写真:カテゴリ族 現代×江戸時代

カテゴリ族 現代×江戸時代categori tribe Today × Edo Period

本|紙、インク、プリンター、片観音折りBook|Paper, ink, printer, letter foldH182 × D128mm

「肉食系女子」や「カイワレ族」など、「○○な人」を指す言葉は次々と生まれている。それらの言葉を「カテゴリ語」と定義し、解説する本を制作した。様々な文化や言語が入り乱れる現代の言葉を軸として、日本独自の文化が栄えた江戸時代の言葉と比較する。江戸時代から変化せず使われ続けるカテゴリ語もあれば、現代にしかあり得ないカテゴリ語もある。それぞれの面白さを、時代背景等の解説も織りまぜながら、独自のイラストや文章、デザインで表現する。

塚本春菜

「あなたも私も○○な人」が表題の「カテゴリ族」を端的に表現している。現代では歴代の流行語大賞を、江戸時代については江戸文化研究書や落語を渉猟してのワード抽出であることが、情報学的であって好ましい。さらに、両時代の対比にはウィットが効いており、別項の江戸の「ケチ」と「アホ」も同様に楽しめる。展示に際しての回転する表裏イラストによるヒトガタが秀逸。3年次からの取り組みが実を結んだ優れた編集物である。

デザイン情報学科教授 森山明子

永井智大Nagai Chihiro

作品写真:欧文書体UNIVERSの研究と実践
作品写真:欧文書体UNIVERSの研究と実践
作品写真:欧文書体UNIVERSの研究と実践
作品写真:欧文書体UNIVERSの研究と実践
作品写真:欧文書体UNIVERSの研究と実践
作品写真:欧文書体UNIVERSの研究と実践

欧文書体UNIVERSの研究と実践The Research and Practice of a European Typeface: UNIVERS

本|紙、無線綴じ並製本、オフセット印刷Book|Paper, perfect binding, offset printingH250 × W255mm

国際的に強い影響を及ぼしたスイス・タイポグラフィにおいて、バーゼル派の中心的な役割を担った巨匠の一人が、エミール・ルーダーです。彼はその合理性と美しさから、サンセリフ体Universを好んで使用しました。その書体を設計したのが、アドリアン・フルティガーです。活字に求められる良好な判別性、可読性、誘目性ついて多くの実用的な解答を示し、かつスイス・タイポグラフィの知識体系の重要な一端を担うUniversの歴史、運用、造形的変遷を研究し、1冊の本と3枚のポスターという形に表現することで、巨匠たちの造形理念の追試を試みました。

永井智大

戦後を代表する書体「Univers」の制作者であるアドリアン・フルティガーが昨年9月に87歳で逝去した。ニコラ・ジェンソンを信奉し、スイスが誇るタイポグラファー、デザイナーとなったフルティガーへの敬意を抱いて、この書体を電子活字に至る3段階で検証する。本研究には独自の見解も盛り込んであり、語の本来の意味でのエッセイとして成立している。卒業制作展全体のデザインと並行しての作業は、これからの活動の礎となることだろう。

デザイン情報学科教授 森山明子

本名みずほHonna Mizuho

作品写真:おいしい 和wa 芸術 -おいしい素材で和の文様をつくる-
作品写真:おいしい 和wa 芸術 -おいしい素材で和の文様をつくる-
作品写真:おいしい 和wa 芸術 -おいしい素材で和の文様をつくる-

おいしい 和wa 芸術 -おいしい素材で和の文様をつくる-delicious material × wa × arts -making japanese traditional pattern of delicious materials-

和紙、布、デジタルプリントWashi, cloth, digital printH160 × W160mm ×46点 レディースサイズ ×5点

パプリカのヘタは見事な六角形で、ショウガのくきは絶妙な桃色や若草色で。台所に立つと、こんな素材を生み出す自然は芸術家だと感じます。その日食べたおいしい素材を写真におさめ、日本の伝統文様に落とし込みました。「おいしい」素材と「和」の伝統をかけ合わせると、どんな「芸術」が生まれるのか。「おいしい×和×芸術」に向き合うほどに「おいしい!は=芸術」だとわくわくしました。わたしの日々の延長がこの卒業制作に繋がったことを、何より嬉しく思います。

本名みずほ

偉大な自然を“芸術家”と見立ててその恵みである食材を事細かに解剖・観察分析し、そこから得たデザインモチーフを46種の新しい“和の文様”として作品展開。また展示では一部の文様を使って5枚のシャツに応用することで、新たなテキスタイルやブランディングデザインへの可能性を表現した。日常の家庭料理から色とカタチの美しさを抽出した緻密な 研究アプローチと、それを革新的な“和の文様”に昇華させたデザイン力が高く評価された。

デザイン情報学科教授 井口博美