造形表現の歴史的、理論的な研究を行います。研究対象は、時代としては古代から現代まで、地域としては日本、東洋、西洋、また分野としては美術、工芸、デザイン、建築とし、諸ジャンルや境界にとらわれない総合的な教育を行います。また作品に表されているものやそれ自体を感覚と知性を働かせて解明し、作品の意義を探究する能力の習熟を目指します。

理念・教育目標

美学美術史コースでは、造形表現についての理論的な考察の方法と、美術作品の特質を歴史的観点から捉える方法を体系的に学びます。研究領域は洋の東西を問わず古代から現代まで、研究対象も絵画・彫刻・建築という古典的な美術の分野から、工芸、デザイン、現代の多様な表現形式による作品までを視野に収め、総合的な教育を行います。柔軟な知性と感性をもって美術作品に接し、作品の観察と解釈を基盤に据えた研究を行い、その成果を明晰な言葉で伝える力を養うことが、本コースの教育目標です。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

本コースの理念・教育目標に従い、総合的かつ専門的な学修のためのカリキュラムを編成しています。

選択必修科目では、日本・東洋・西洋の美術史および美術理論を専門とする教員が、それぞれの専門領域に関する講義または演習を行います。学生はそれらの科目の履修を通じて、古今東西の造形芸術に関する幅広い知識を身につけるとともに、美学・美術史の基礎概念と、作品分析や資料の読解などの基礎的な研究方法を学びます。

必修科目「造形学演習」(Ⅰ・Ⅱ)では、美学美術史研究室の専任教員全員が指導にあたり、各教員の専門領域における先端的な研究動向の紹介や、美術館、博物館、修復工房などの見学を実施します。また、この演習では、修士課程と博士後期課程の学生が各自の研究テーマに基づく発表を年に 2回ほど行います。修士課程の学生は、修士論文のための研究の進捗状況をここで報告し、教員と学生全員が参加するディスカッションを通じて、発表内容に関する助言や示唆を受けます。

本コースの学生は、これらの科目の履修と並行して、自身が設定したテーマの研究に取り組みます。指導教員をはじめ複数の教員から個別の指導を受け、また「造形学演習」での発表によって進捗状況を報告しながら研究を進め、修士課程の学修の成果となる修士論文を完成します。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

美術作品を深く理解しようとする意欲と、自ら設定した問題を考える方法を真剣に学ぶ姿勢があり、研究を遂行するための主体性と行動力を具えている学生を受け入れます。また、各自の研究テーマに関連する外国語文献や漢籍などの資料を読むための基礎的な能力を持っていることが求められます。これらの条件に適っていれば、学部で美術史あるいは美学芸術学を専攻した学生に限らず、実技・制作を学んだ人たちの入学も歓迎します。

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

以下の目標に達したと認められる学生に、修士の学位を与えます。

  • 造形芸術に関する広範な知識を持ち、美学・美術史研究の基礎的な方法を習得している。
  • 研究対象とする美術作品の観察・分析と、関連資料や先行研究の的確な理解に基づいて、論理的な考察を行うことができる。
  • 自ら研究テーマを設定して、学術的な方法による調査研究を行い、独創性のある成果を導くことができる。
  • 調査研究によって得られた新しい知見を学術論文として提示するための論述能力と表現力を身につけている。

美学美術史コースの教員、研究室スタッフは造形文化の教員紹介ページをご覧ください。専任教員には詳しいプロフィールへのリンクもあります。

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