古堅真彦

古堅真彦(ふるかた・まさひこ)
FURUKATA Masahiko

専門
アルゴリズミックデザイン
Algorithm Design
所属
視覚伝達デザイン学科
Visual Communication Design
職位
教授
Professor
略歴
2011年4月着任
1968年奈良県生まれ
関西学院大学大学院 理学研究科博士課程前期課程修了
修士(理学)
研究テーマ
コンピュータ画面上での動きの研究、およびアルゴリズミック名完成を用いたデザイン教育の研究。

コンピュータを扱う上で重要な「アルゴリズム」の考え方を「デザイン」の分野にどのようにいかせるかを研究している。
'93-'96年岡山県立大学デザイン学部助手、'96-'01年国際メディア研究財団主任研究員、'01-'11年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS]准教授。
著書:『Javaでモーションプログラミング』広文社 '02年、『Flashデザインラボ -プロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック』ソフトバンククリエイティブ社 '08年(共著)、『Flash Math & Physics Design[入門編]』ソフトバンククリエイティブ社 '08年、『Flash Math & Physics Design[実践編]』ソフトバンククリエイティブ社 '10年、『FlashではじめるAndroidアプリ開発入門』技術評論社 '11年(共著)。


ウェブマガジンの「動き」と「インタラクティブ」な表紙ページ制作 “deep_science”

日本科学未来館が企画開発した科学技術情報サイト「deep_science」のスプラッシュページ(起動時に表示されるページ)の制作。月間ウェブマガジン(コンテンツが月単位で更新)なので、スプラッシュサイトも月単位で変更、5個を制作。グラフィックデザイナーの服部一成氏と共同制作。服部氏が静的なグラフィックを提案して、そこに私が動的なデザイン案を提案して素案を決定し、プログラミングを私が制作するというスタイルを取った。「科学」という一般生活とは距離があると思われがちな分野に親しみを持ってもらうように「動き」や「インタラクティブ性」を加味したページデザインを心がけた。また、動きには物理法則をふんだんに活用し、日常生活での一般的な動き方と科学(物理)との関連を比喩的に埋め込んでいる。


ブロックを使ったプロプログラミング体験装置  “PLaygram[プレイグラム]”

ブロックを使って「プログラミング」が体験できる作品、つまり遊びながら(play)、プログラミング(programming)できるインスタレーション作品の制作。大日本タイポ組合との共同制作である。手前のブロックを好きな形に並べ変えることで、その並び方が「命令文」になる。画面上では自分が並べた形状が表示されている。ただし、その形状は、並べ方から自動的に作られた「命令文」に沿って「色」や「大きさ」や「動き」などが決められていて、画面上で縦横無尽に動き出す。この作品には、以下のような要素が含まれている。

  • ブロックの向きによる文字あそび
  • 文字の並び順、組み合わせによる命令の文法
  • 文字を図形に見立てて、図案をつくるタングラム

この作品はキッズプロジェクト展(NTT美術館ICC[インター・コミュニケーション・センター])やタイポロジック展(日経本社ビル内展示空間SPACE NIO)で展示された。


ActionScript3.0による数学・物理学表現
Flash Math & Physics Design [入門編][実践編]

コンピュータを使ってデザインをするとき、「プログラミング」という手法を知っているととても有効に制作が進められる。そして、プログラミングを使ったデザインをするときに数学や物理理論を知っているとさらに魅力的な制作が可能になる。デザイナーや美大生はその重要性は感じているが、そういった理論を知るチャンスが少なく、また知っていたとしてもどのように活用するのかが分からないことが多々ある。そこで、数学や物理法則を使った画面上のデザイン手法を実際のサンプルとそのソースコードを提示して、それを順に丁寧に解説するというスタイルで[入門編]と[実践編]の書籍を執筆した。プログラミング言語にはコンピュータを使った画面デザインをするときに現在一般的に使用されているFlashのActionScript3.0を採用した。
[入門編]は数学理論や物理法則をまったく知らない人を対象にsin、cosなどの基本的な数式も丁寧に解説した。また、プログラミングが初めてという人も読み深められるように、ActionScriptの文法の解説も丁寧に行っている。
[実践編]はそれ1冊だけでも読めるように、複雑な演算は使わずに(四則演算とsin、cos程度)、理論そのものは理科系大学で学習する程度のものをどのようにデザインに活用するかを解説している。