佐々木慶一風景画展【partition】パルティシオン—奏する譜面の追想は不壊(ふえ)の記号—

日程 2018年11月4日(日)~2018年12月2日(日)
9:00-18:00 *最終日は16:00まで
場所 旭ヶ岡の家(北海道函館市旭岡78)

佐々木慶一さん(2011年芸術文化学科卒業)の展覧会のお知らせ。

佐々木慶一風景画展【partition】パルティシオン—奏する譜面の追想は不壊(ふえ)の記号—

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昨年の秋から1年をかけて、北海道の渡島と青森県の下北・上北風景を描きました。

旅をして各地を巡り、所々の土地に身を沈めることから始まる、作品制作です。
風景は私の思惟や、想像力をかき立てました。

出会った情景を、後にアトリエで思い出しながら描くこともしました。
その時に私は、現実の風景を描く傍らで、自身の主観を大切にしました。

一方、実存に触れるリアリズム(現実主義)の制作では、自らの主観を抑制することは大切です。
つぶさに観察することは、実際のままを描くために必要なエスプリ—精神—である、と言うこともできます。

この写実の考え方を理解した上で、
主観的な「追想」もまた実際の体験を求めるスヴニール(回顧)である、と私は考えています。

赴いた土地に抱く私の憧れも、過去に出会った実存との向き合いです。
そして、再訪の希求をともにする風景への恋着のような主観は、
「クレッシェンド」に差しかかる楽譜の音色に似ています。

だんだんと思いが高まり、記憶のうちで風景は鮮やかさを強く帯びてゆき、
やがて色彩が光輝に満ちます。

津軽海峡に面した両岸の半島で、私は12の季節を風景に見ました。
そうして、めいめいの時節をたたえる賛美の麗華として、
函館女性の高橋江里加・寺﨑布己を描きました。

今なお函館の私が持つ、旅の「譜面」(パルティシオン)に鮮やかさ帯びるあらわれを、
彼女たちは四季に代弁してくれるのです。

フライヤー製作・T&T SETAGAYA

経歴
2003年 函館西高等学校卒業
2009~10年 パリ国立高等美術学校留学(奨学生)
2011年 武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科卒業
2013年 金沢美術工芸大学大学院芸術学専攻修了(修士)
2013~14年 グルノーブル第3大学スタンダール校留学(フランス)

出展
2001年 「はこだて・冬・アート」展(入選、函館)
2008年 「全日本肖像美術協会」準会員推挙(同会初出品、入選)
2009年 「韓国・タイ・日本」展(Gallerie Gauche、パリ国立高等美術学校内、グループ展)
2009~10年 「レストラン壁画制作プロジェクト」(教授アシスタント、パリ)
2010年 「Deux jeune à l’ENSBA」(日仏文化センター、パリ、2人展)
    「エコール・デ・ボザール」展(出品、パリ国立高等美術学校)
2016年 国際展「Impact Through Design」(作品招待、M. F. Husain Art Gallery、ニューデリー)
2016~17年 「佐々木慶一ポートレイト展【fragrance】」(1~3、函館各所にて開催)
2017年 「全日本肖像美術協会」会員昇格(入選3回・出品3回)
    「佐々木慶一肖像画展【fragrance.f】」(ギャラリー三日月、函館)
2018年 「日本の自然を描く」展(上位入選、上野の森美術館、東京)
    フランス・日本国際展「Esprit es-tu là ?―そこに精神があるか―」展(出品、Design Festa Gallery、東京)

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