今井みのりImai Minori

silpicsto

鉄、鍛造、溶接Iron, forging, welding340.0 × 690.0 × 7.3cm

picture + an act .

picture × imagination .

 ↓

picture ≒ communication .

掛けられた絵を眺める自分が受動的すぎたので“行為”と“想像”をみる人に委ねたら コミュニケーションツールになってくれるんじゃないかと思いました。
能動的に意識してほしいです。

クラフトデザインコース(金工)
今井みのり

人々をテーマにした写真から、興味深い“被写体”を抜き取り、細い線材を巧みに鍛鉄加工し、壁面に再構成した。“吹き出し”の中に入る言葉を連想させることで、リアルタイムなコミュニケーションを演出しているばかりではなく、この“被写体”たちは、モノを持たせられている。言い換えれば、この作品はモノを置いたり、掛けたりすることができるツールでもある。作品はコミュニケーション・ツールであると主張する作者が、観る者を視覚的な興味だけでなく、接触へと誘う見事な作品である。

工芸工業デザイン学科教授 鈴木洋

安福千晴Yasufuku chiharu

アッリの人々Dwellers of Arri

アルダー、ニヤトー、ウォールナット他、無垢材、ステンレスワイヤー、LED電球Alder, nyatoh, walnut, other, solid wood, stainless wire, LED bulbs124.0 × 114.0 × 70.0cm

イタロ・カルヴィーノ著「見えない都市」より着想を得て、
自らがひとつの都市を設定し、かたちにした。

木工技法や既存のもののかたちをモチーフに木の持つ表情や色彩までが想像の材料になって、
一つの形として構成したこの都市を通して木の魅力、
イメージを描く事やそれを表現する事の面白さを表現したかった。

このアッリの都市に住む人々がどこから来てどこへ至るのか、
少しだけ考えてみて欲しい。

クラフトデザインコース(木工)
安福千晴

この作品は、ある物語の世界を木で表現したもので、工芸製作というよりむしろ彫刻作品ともいえる。
木材は小さなものは加工が難しく、細部に粗さが見られるが木の色や質感をうまく取り入れ素材の堅さを感じさせずビジュアル的にまとめている。
木の玩具は過去に優れたものがあるが、このようにひとつの場面を作り上げる作品は今後に期待出来る。

工芸工業デザイン学科教授 十時啓悦

坂爪康太郎Sakazume Kotaro

我々はどこから来たか、我々は何者か、我々はどこへ行くのかWhere Do We Come From? What Are We? Where Are We Going?

陶土、ロクロ成形Clay, shaping using potter’s wheel200.0 × 400.0 × 25.0cm

仮面とは何ももたず、何も知らず、それでも生きるために信仰と創造が発展した時代の人々が生んだ「未知の恐怖、思いや願い、目には見えない力を具現化する」という能力を持った道具である。
目には見えないものを信じる力。存在しないものをつくりだす力。抗いようのない自然を征服してしまうのではなく、それと寄り添うようにして生きる力。それらが仮面を生んだ。
道具としての仮面の本来の用途が失われた現代で、わたしはこのような力を直感的に感じ取れる造形として仮面に価値を与えたかった。だからそれ以外の目的を排したオブジェという媒体で制作し、「用途無きものが与える価値」というものを確かめたかった。心のどこかで無意識に存在していた、「結局、用途あるもののみがが造形として価値をもつ」という自らの固定概念を崩したかったのかもしれない。

クラフトデザインコース(陶磁)
坂爪康太郎

これまでに数多くの仮面が作られているがヤキモノを素材にしたものは少ない、さらに器を作るのに最も適しているロクロを利用しているのはとても珍しく表現も含めてユニークです。
表情や色土によるマチュエールの試作が数多くなされておりその効果が作品に生かされています。
作品の題名はポール・ゴーギャンが1898年にタヒチ島で制作した油絵の題名から引用されています。

工芸工業デザイン学科教授 小松誠

駒形有紀Komagata Yuki

ふしぎなときThe moment they are

ガラス、キルンキャスティング、着色(油彩)Glass, kiln casting, coloring( oil paint)25.0 × 40.0 × 45.0cm × 5点

私は少年少女を人間(成人)とはまた別の
「ふしぎないきもの」だと感じている。
しかし、神様や精霊といったようなそこまでの特別さは感じていない。
なぜなら、少年少女はどの世界にもどの時代にも存在し、誰でもかつては少年少女といういきものだったからだ。

誰にでも「ふしぎないきもの」の時は存在する。

クラフトデザインコース(ガラス)
駒形有紀

作者は、タイトルにある「ふしぎなとき」とは、精神的、肉体的に性別が完璧に分かれ切っていない中性的な少年少女時代を「人間(成人)ではない不思議ないきもの」として捉えている。作品は学校を中心としたコミュニティーと仲間の場面ごとの出来事が生き生きと表現されており、教室内では授業、給食、校庭では鉄棒、球技、帰り道ではランドセル、荷物運び、ジャケン、虫捕り、魚捕り等、一つ一つの場面を見続けていると、観る側の年代により自分自身の不思議ないきもの時代を思い起こさせてくれる作品である。技術的にはロストワックス鋳造法で非常に丁寧な作りと半透明のガラスに淡い色彩がよりテーマに合っていると考える。

工芸工業デザイン学科教授 齋藤昭嘉

浦上智Uragami Akari

mi piel

布、キルト芯|ろうけつ染め、キルティングCloth, quilt batting|batik, quilting300.0 × 200.0 × 200.0cm(ドローイング部分:500.0~600.0cm)

ずっと海の生き物達に心を惹かれている
特に珊瑚礁の生き物達にとても感動している
彼らのまとうテキスタイルや形、彼らの生態は
新しい発見と驚きが止めどなく続き
いつまでもワクワクさせてくれる

mi pielはスペイン語で“私の皮膚”
身に纏うものは自分の世界を表現する皮膚
今のmi pielは彼らに感じているもので溢れている

クラフトデザインコース(テキスタイル)
浦上智

浦上は第二の皮膚と言われる衣服ではなく、テキスタイルアートとして第三の皮膚と捉えた制作を一貫して続けた。結果、卒業制作ではドローイングの力強さを超えたテキスタイルアートとなった。ロウケツとキルティングで作られた作品のサーフェスは、カラフルな色彩とともに生命感あふれた印象を与える。

工芸工業デザイン学科教授 田中秀穂

于冠一Yu Guanyi

風火輪FUKARIN

模型|合成ナイロン、立体成型Model|synthetic nylon, 3D-shaped50.0 × 35.0 × 100.0cm

人間の成長にあわせて進化するパートナーのようなモビリティ

これからの近い未来、過密都市の中の個人移動は、恐らく短時間、短距離の移動になっていく傾向がある。車より、バイクや自転車などの軽モビリティに頼ることが大幅に増えると予測しました。
一方、資源問題と技術の革新により、大量生産、大量消費の価値観から自分と相性の良い物を長く使おうという価値観に変わっていくと推測しました。

ユーザの成長の各年齢の身体状況、感覚機能、世界観、センスなどの特徴にあわせ、基本レイアウトや操作システム、色材質などを調節、最もユーザが使いやすい形態になり、軽やかな移動とダイナミックな走行を味わうことができます。
その他、電気を使い、自転車のような整備の簡単さと使い幅の広さを更にアピールできます。

未来の町で、電気で生まれ変わったモビリティと長くつきあおう!

インダストリアルデザインコース
于冠一

2輪車のダイナミックな特性を、従来の延長上ではない新たな骨格と電気モーターを基に、斬新な造形にまとめた。乗り手の身体の成長に合わせ変化する骨格や、運動特性をも変えられるコンセプトは持続性ある世界観を提案しおもしろい。造形は軽やかで、マッシブであり、走りのダイナミズムを表現している。薄い造形要素から成る有機的なフォルムを具現化するために3Dデーターを作製し、正確な造形を進めた点も高く評価する。

工芸工業デザイン学科教授 稲田真一

渡辺育実Watanabe Ikumi

100年ー10年ーひとときCentury-Decade-Moment

スチレンボード、バルサ材、エースライト他Styrene board, balsa, acelite, other45.0 × 180.0 × 80.0cm、45.0 × 40.0 × 41.0cm、45.0 × 60.0 × 41.0cm、40.0 × 103.0 × 67.5cm

空間には常に時間がついてまわる。
この提案は、長い期間土木の目的を果たす要素に、インテリアのように取ったりつけたりできる要素を直接結びつける。そのため、完成された形や正しい形はなく、一瞬一瞬が積み重なり絶えず更新されていく事で、その時に応じた表情を見せる。最も大きな模型においても、提案になぞらえ他の人々のアイディアを具現化し、その一瞬の様を示している。

インテリアデザインコース
渡辺育実

本作品は、建築物の本来あるべき姿である人間との関係性を、地域、建築、インテリア、プロダクトの総合デザインにより、新規性のある計画を提案した。
“建築物は時代と共に豊かさに向かい変容する”をコンセプチャルのみに終始することなく、インテリアからの発想により、具体的な検証例をもって、分かり易くデザインした内容は高く評価したい。とくに構築に必要な基礎となるプレキャストコンクリートのユニットをもとに、「本の町」としての生活の場へ多くの要素を取り入れ、発展させた新規なシステムデザインは、見事な出来映えである。

工芸工業デザイン学科教授 寺原芳彦