訪問教授の紹介

2009年度

Nigel Atkinson

Nigel Atkinson
イギリス / Nigel Atkinson社 代表兼デザイナー

受入期間
2009年4月16日(木)~4月22日(水)
受入研究室
空間演出デザイン学科研究室
担当教員
天野勝教授、津村耕佑教授、パトリック・ライアン教授
講義・指導内容
素材開発、物作りの発想、工程について
課外講座
Threads of Fashion

海外有力デザイナーと素材開発からテキスタイルデザインを制作し続けている同氏から、物作りの発想、工程を学ぶ。
実際の有名ブランドの内側を知ることで、国内だけでなく、広い視野を持って世界を見、感じられるようにし、学生の将来に向けての目標を考えさせる。

池崎義男

池崎義男
日本(アメリカ) / アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン教授

受入期間
2009年6月22日(月)~6月27日(土)
受入研究室
日本画学科研究室
担当教員
内田あぐり教授
講義・指導内容
和紙ゼミの講義、実技演習
課外講座
海外での作家活動と欧米美術の現在

日本画の伝統技術である手透き和紙の技法を修得され、国内外でその普及に務められ、また作家としても幅広い活躍をされている池崎義男先生に、日本画学部および大学院学生全員を対象とした和紙ゼミの講義、実技演習をしていただいた。
既に隔年で和紙ゼミ特別講師として来ていただいており、2009年3月にはロサンゼルスで開催した日本画学科の国際交流プロジェクトの交換交流の受け入れをしていただき、武蔵野美術大学側での受け入れをこの和紙ゼミの期間に合わせて行った。今回の招聘では、和紙ゼミの講義実習及び国際交流プロジェクトの一貫としての武蔵野美術大学学生とロサンゼルスの学生の交流、gFALでの交流展示、ワークショップ、講演等諸々を担当していただいた。

Elizabeth Ann Lillehoj

Elizabeth Ann Lillehoj
アメリカ / デ・ポール大学 美術学部 准教授

受入期間
2009年6月22日(月)~6月27日(土)
受入研究室
造形文化研究室
担当教員
玉蟲敏子教授
講義・指導内容
近世初期美術における古典主義の講義他
課外講座
アメリカにおける日本美術史研究の現状と意義

Elizabeth Lillehoj氏は1980年代前半に日本に留学し、現在はアメリカの大学において日本の江戸時代美術の教鞭をとる少数の中堅の女性研究者の一人である。近世初頭の後水尾院、東福門院を中心とする宮廷文化、美術を主なテーマとしており、大学院生向け授業においては近世初期美術における古典主義について、学部生向けの授業においては、アメリカ人研究者がとくに江戸美術に関心をもつ理由などについて講義を行っていただいた。とかく海外に関心を寄せる武蔵野美大生に、視野を広げさせるよい機会となるよう企画した。

Bo Linnemann

Bo Linnemann
デンマーク / コントラプンクト社代表、クリエイティブディレクタ

受入期間
2009年9月14日(月)~9月19日(土)
受入研究室
基礎デザイン学科研究室
担当教員
原研哉教授、板東孝明教授、深澤直人教授
講義・指導内容
デンマークを中心とした公共デザインとその理念に基づくビジュアル
課外講座
TAYLOR MADE?

Bo Linnemann氏が展開しているデンマークを中心とした公共デザインとその理念に基づくビジュアルデザインの形成方法をワークショップと講義で行っていただいた。

Nagji Patel

Robin David

Nagji Patel
インド / 彫刻家

Robin David
インド / 彫刻家

受入期間
2009年10月13日(火)~10月17日(土)
受入研究室
共通彫塑研究室
担当教員
戸田裕介教授
講義・指導内容
課題作品への講評等
課外講座
現代インドの芸術と芸術家コミュニティーについて/Nagji Patelの彫刻について/Robin Davidの彫刻について

通常の実技科目指導に異なる視点を加え、授業をより一層活性化するため、インドから彫刻家であるPatel氏とDavid氏をお招きしました。 欧米中心の国際社会基盤が不安定になりつつある現在、芸術家やデザイナーも、将来に向け、世界の広がりとその多様性に加え、自分の立つ位置をより明快に意識することが求められます。BRICsの1つである現代インドにおいて異なる立脚点で活動するお二人の招聘は、本学学生が新たな世界観を獲得する一助となるような貴重な機会となりました。
招聘期間中は、4つの実技授業の履修学生を対象に、様々な制作工程を通じた全体指導と個別指導が行われました。粘土を用いた人物モデルの頭部像制作、石膏での型取り、人物モデルの頭部像や全身の座像・立像の石彫、テラコッタによる人物モデル胸像制作を行う中で、インドで活躍する両氏から直接指導を受けたことは学生にとって大きな刺激となる貴重な経験になりました。
課外講座では、お二人のこれまでの作品を通じて、現代インド芸術と芸術家コミュニティーについてスライドを用いてお話しいただき、学生との質疑応答が行われました。

Christiane Cavallin-Carlut

Christiane Cavallin-Carlut
フランス / ERBAN(フランス・ナント市立高等美術学校教授

受入期間
2009年11月9日(月)~11月13日(金)
受入研究室
映像学科研究室
担当教員
クリストフ・シャルル准教授
講義・指導内容
実験映画/ビデオアート/ニューメディア
課外講座
国際プロジェクト『double vision』について

Christiane Cavallin-Carlut女史は、ビデオインスタレーション、フィルムなど、ニューメディアによる現代美術の専門家で、数多くの作品を制作し、またキュレータや審査員として、フェスティバルや展覧会の運営にもつとめています。また、1989年からナント市立美術高等学校ERBANの教授で、今まで日本との交流プロジェクトを数回実現しています。「フランス・日本:ドゥブル・ビジョン」という、武蔵野美術大学・ERBAN、パリ・ソルボンヌ第一大学LETA、東京藝術大学の共同プロジェクトとして、4校の学生は4人の教員の下で、コラボレーション(共同制作)を行い、2009年9月末から10月半ばまで展覧会を開催し、同女史にはビデオ・アートの専門家として、武蔵野美術大学で数回講義やワークショップを担当していただきました。

Philipp Heidkamp

Philipp Heidkamp
ドイツ / Dean, Faculty of Cultural Sciences, Cologne University of Applied Science

受入期間
2009年11月12日(木)~11月17日(火)
受入研究室
デザイン情報学科研究室
担当教員
今泉洋教授
講義・指導内容
デザイン分野の欧州とくにドイツを中心とする動向及び新しいデザイン教育事例の紹介
課外講座
知的移動性のデザインについて

デザイン情報学科の教育内容に関連するデザイン分野の欧州、とくにドイツを中心とする動向及び新しいデザイン教育事例の紹介及び(モビリティー)をテーマとするワークショップを実施していただいた。

Peter Lynch

Peter Lynch
アメリカ / ピーター・リンチ・アーキテクツ主宰,STUDIOTHEM 共同主宰

受入期間
2009年11月24日(火)~11月28日(土)
受入研究室
建築学科研究室
担当教員
源 愛日児教授
講義・指導内容
卒業制作等への講評
課外講座
House with a Lateral Dimension

Peter Lynch氏は、長い西欧建築の歴史の中に根付いているとも言える、理念的、イデア的な世界像を反映するものとして、「建築」を立ち上げようとする思考に対し、それとは異なる立脚点を模索して、設計活動を行っているように思われます。一見すると近代の工業生産と結びついた設計のようにも見えますが、多様な部品がシステム化されて大きな建築を構築してゆく方法ではなく、生物の個体が群れをつくり不規則で流体的な全体を形づくっているように、氏のつくる部品の集合体は、環境に応答的で、有機的な生命感覚を持っています。
このような、「建築」に対する批評性を持ったユニークな視点、その考え、さらにいかにそれを実体に設計、造形してゆくのか(理念側へモノを押込めるので設計はなく、モノの側からの働きかけに対する応答的設計としても興味深い)、その方法、それらは学生の建築の見方、思考を刺激するに違いないと考えます。平成11年の招聘の時にも、参加した学生達が様々な刺激を受け、卒業制作に臨み、学校賞や学科賞を受賞する作品を制作し、卒業後にも影響を与えています。

John Hardy

John Hardy
カナダ(インドネシア) / ジュエリーデザイナー,グリーンスクール創設者

受入期間
2009年11月26日(木)~11月28日(土)
受入研究室
工芸工業デザイン学科研究室
担当教員
伊藤真一准教授
講義・指導内容
物販店のデザイン等
課外講座
Green Revolution

John Hardy 氏はジュエリーデザイナーであるが、彼が設立したインドネシア・バリ島にあるグリーンスクールは建物の構造、仕上げから家具にいたるまですべて竹で作られた今後の環境と空間を考える上で大変示唆に富んだ施設である。本学部インテリアデザインコースの学生がグローバルに幅広く空間を考える上でこのグリーンスクールについてのビジョンを教唆いただくことが必要と考え今回の招聘に至った。
また本業であるジュエリーデザイナーであるバックグラウンドから空間のビジョンを語っていただくことが当コースの学生にとって大変意義深いものであることも理由の一つである。