高山穣

高山穣(たかやま・じょう)
TAKAYAMA Joe

専門
コンピュータグラフィックス
Computer Graphics
所属
デザイン情報学科
Design Informatics
職位
教授
Professor
略歴
2014年4月着任
1976年大阪府生まれ
九州大学大学院 芸術工学府 博士後期課程修了
博士(芸術工学)
研究テーマ
論理的思考と芸術的感性を融合させたCG表現の探求

'03年本学デザイン情報学科卒業後、九州芸術工科大学大学院へ進学し'04年博士前期課程修了(短期修了)、'07年九州大学大学院博士後期課程修了、博士(芸術工学)の学位取得。同年より文化庁新進芸術家海外留学制度、およびポーラ美術振興財団の助成により米国テキサス大学ダラス校アート&テクノロジー学科に客員研究員として在籍。'09年に帰国後、九州大学学術研究員、九州産業大学芸術学部講師を経て'14年本学着任。日本のCG黎明期に大きな役割を果たした研究者であり元デザイン情報学科教授でもあった故・大平智弘に師事しており、主に数式やプログラミングの組み合わせによる「数理造形」と呼ばれる分野をはじめ、論理的思考と芸術的感性の融合を目指したCG表現の研究・制作に従事している。

代表業績:
SIGGRAPH2003 Art Gallery
SIGGRAPH2004 Animation Theater
SIGGRAPH2004 Art Gallery
SIGGRAPH2005 Sketches
SIGGRAPH2005 Art Gallery
SIGGRAPH Asia 2008 Animation Theater
SIGGRAPH Asia 2016 Art Gallery
SIGGRAPH Asia 2019 Electronic Theater
アルスエレクトロニカ2004 Honorary mention
アジアデジタルアート大賞展において'18年ADAA大賞、福岡県知事賞、文部科学大臣賞、'03年ノンインタラクティブアート部門大賞、'02年同部門優秀賞、'05年静止画部門優秀賞、'06年度動画部門優秀賞、'08年度同部門優秀賞、'13年度静止画部門入賞、ほか国内外の受賞・入選等多数。

Joe Takayama started his career as a CGI artist/researcher when he was an undergraduate student at Musashino Art University. After graduation, he went on to the Graduate School of Design at Kyushu University (formerly known as Kyushu Institute of Design). After finishing his Ph.D., he moved to the U.S. as a visiting scholar on the Arts & Technology Program, University of Texas at Dallas. Following his return to Japan, he was a research fellow at Kyushu University and a lecturer at Kyushu Sangyo University. His research interests in the field of CGI include procedural animation and algorithmic art. Some of his animation works have won prizes and have been screened at a range of film festivals and conferences, including SIGGRAPH, Ars Electronica, and Eurographics.


Splendor
CG映像 2018年

Orb
CG映像 2009年

Microcosm
CG映像 2004年

Solar Wind
CG映像 2003年

科研費研究プロジェクト事例:古典的装飾文様のプロシージャル生成に関する研究

プロシージャル生成(手続的生成)とは、形や動きの規則をコンピュータのアルゴリズム(計算の手順)として記述して効率的に結果を生成させる技法のことであり、本研究ではこれを装飾分野へ応用することを目指している。装飾美術は歴史・文化・宗教など様々な背景に基づき発展してきたものであるが、数理的なルールが明確であるものも多く、そのルールをアルゴリズムとして記述することで効率的に文様を生成できる場合がある。このような観点から、本プロジェクトではいくつかの装飾様式のアルゴリズム化を目的としている。これまでの事例としてはゴシック様式のトレーサリーに着目し、ゴシック様式特有の尖塔アーチに展開される装飾の設計を支援するアルゴリズム開発を試みた。また、近年では植物の成長シミュレーションに広く用いられるL-systemという技法を応用し、切子や組子といった日本の伝統工芸の再現にも取り組んでいる。本研究は、近代以降において合理化を一つの要因として排除されることの多かった装飾が、今日の技術とともに新たな展開へと結びつく可能性を秘めていると考えており、設計・生産をはじめ、伝統文化の継承という観点も考慮に入れた研究を進めている。

プロシージャルに生成されたトレーサリーの例

外部資金の獲得状況

  • 科研費 若手研究(B)、課題番号22700105、2010年度~2011年度
    手続記述法による古典的装飾文様のCG表現に関する研究
  • 科研費 若手研究(B)、課題番号24700106、2012年度~2013年度
    デジタルファブリケーションを応用した古典的装飾文様の手続的生成と出力に関する研究
  • 科研費 基盤研究(C)、課題番号26350030、2014年度~2016年度
    手続型モデリングと3Dプリンタを併用した装飾部材の設計支援とその応用に関する研究
  • 科研費 基盤研究(C)、課題番号17K00733、2017年度~2019年度
    日本の伝統装飾のアルゴリズム化とデジタル造形技術の併用による設計支援とその展開
  • 科研費 基盤研究(C)、課題番号20K12539、2020年度~2023年度
    人工知能・人工生命的アプローチを応用した古典的装飾文様の設計支援アルゴリズム開発

産業財産権(特許)

  • [米国特許]Joe Takayama, “Metaball drawing system, metaball drawing method, and memory medium storing metaball drawing program”, The U.S. Patent number: 7605811, 2009.
  • [国内特許]高山穣「描画方法及びその装置」特許第4585298号, 2010.

主な論文・国際会議(全て査読あり)

  • Joe Takayama, Tomohiro Ohira, Etsuo Genda, “A Study on Generating Animation using Markov Chain”, International Journal of ADADA, vol.2, pp.55-60, 2005.
  • Joe Takayama, Etsuo Genda, “Artworks Using Metaball Representation with Stepwise Approach”, SIGGRAPH2005 Sketches, 2005.
  • Joe Takayama, Etsuo Genda, “Procedural Image Generation Using Peristaltic Movement”, International Journal of Asia Digital Art and Design, vol.5, pp.57-62, 2006.
  • Joe Takayama, “Procedural Generation of Ornate Medallions by using Metaballs”, International Journal of ADADA, vol.14, pp.25-30, 2011.
  • Joe Takayama, “Computer-generated Gothic Tracery with a Motif-oriented Approach”, IASDR2013, 2013.
  • Joe Takayama, “Medallions: 3D-printed Wall Plaques Featuring Procedurally-generated Ornate Shapes”, International Journal of ADADA, vol.20 no.4, pp.97-102, 2017.
  • Joe Takayama, “An L-system Approach for Depicting the Patterns of Japanese Crafts”, International Journal of ADADA, vol.26 no.4, pp.75-84, 2023.

学会招待講演

  • Joe Takayama, “A Procedural Approach for Designing 3D-Printed Ornaments”, NICOGRAPH International 2015, Tokyo City University, 2015.
  • Joe Takayama, “Algorithmic Ornamentation”, Shooting Stars Session, ADADA+CUMULUS 2018, National Cheng Kung University, Taiwan, 2018.

学会賞

  • Best Art Paper, ADADA 2016 (The 16th International Conference of Asia Digital Art and Design), 2016.
  • ADADA Japan 2017研究奨励賞, 第4回 ADADA Japan 学術大会, 2017.
  • Best Technical Paper, 2018 International Conference for ADADA+CUMULUS, 2018.
  • 優秀発表賞, およびCG-ARTS人材育成パートナー企業賞(株式会社デジタル・フロンティア賞), 映像表現・芸術科学フォーラム, 2022.